世界中の皮膚へのアプローチ-操体法、オステオパシー、理学療法、整体など

皮膚への
アプローチ特集

 

世界中には様々な手技療法がありますが、
皮膚へのアプローチというものの多くは
埋もれてしまっています。
それらをいくつか取り上げてみます。

操体法

・皮膚へのアプローチ 

図:楽しくわかる操体法

操体法の中の、皮膚へのアプローチ。
皮膚を伸展させて、受ける側が身体の内部感覚(心地よさ)を味わう。
無意識的な動きや内部感覚を自覚する事で、
身体や心の緊張をとる。優しくつまんだりもする。

(持続的に皮膚を伸ばす。)

※快不快という感覚を重視するという事は、
中枢神経の働きを活用しているという事。

整膚

図:整膚学

皮膚をつまみあげていく事で皮膚の血流を良くする。
経絡理論も使用。(次々に移動していく)

※皮膚のマッサージに近い。

野口整体

整体という言葉を作った本家整体。愉気という手かざし療法も行う。
触れたり触れなかったりする。(基本的には、持続的に皮膚に触れる)

※気功やエネルギーワークと呼ばれているものに近い。

オステオパシー

スキンローリングテクニック

図:軟部組織の診かたと治療

皮膚を寄せ集め、
つまむように転がしながら刺激していく方法。
(次々に移動していく)
スキンテクニックという
指2本くらいで皮膚を滑らす技術もある。

※整膚に近い。皮膚マッサージのようなもの。

Bennetの神経血管反射

軽く貧血になる程度のごく軽い圧で刺激し、
皮膚を少し伸張する。
皮膚の毛細血管からの軽い拍動感が起こる。

※本に記載はあるが、詳細は分からず。

頭蓋仙骨療法(クラニオセイクラル)

頭部に対して優しく持続的に触れる。
脳脊髄液の循環を促すという説をとなえている。

(持続的に頭の皮膚に触れる)

※脳脊髄液の循環は、皮膚からは促せない。
シンプルに考えれば、
内部感覚に集中することを促している。

末梢神経マニピュレーション

末梢神経上の皮膚へ、軽い圧や伸展を行う。
触れたまま四肢を動かしたりもする。
神経を内臓と結びつける傾向がある。
内臓マニピュレーションを提唱している方の方法。
(ある程度持続的に皮膚に触れる)

※内臓との関連性に偏りすぎていて、
理論的には信憑性に欠ける。

ポジショナルリリースセラピー

図:系統別治療手技の展開

圧痛点は筋肉が原因だと考え、
圧痛点に触れながら、
筋肉が緩む位置まで四肢を動かし、
そのままキープする方法。
(持続的に皮膚に触れながら、四肢の位置を保つ)

※理論的には筋肉の弛緩を狙うものだが、
圧痛点が緩む四肢の位置というのは、
末梢神経のテンションが
1番下がる位置だと考えられる。

筋膜リリース 

筋膜のねじれが、コリや痛みの原因と考え、
その筋膜を伸ばすという理論と方法。
(持続的な皮膚を伸ばす)

※筋膜は外部から人の力で
伸ばせないという研究がある。
組織が緩むのはルフィ二など
神経系の反応によるものだと考えられる。

皮膚への理学療法

触圧覚刺激法・皮膚運動学

皮膚に触れながら関節を動かすことで、
関節可動域の改善を目指す方法。
(関節を動かす間だけ皮膚に触れる)

皮膚を伸ばしたりテーピングをすることで、
皮膚のゆるみやテンションを変え、
可動域を増やす方法。(皮膚を持続的に伸ばす)

※皮膚自体の動かしやすい膜としての
線維的な流れを
利用していると考えられる。
もちろん神経系の影響も考えられる。

デルモニューロモジュレーション

カナダの女性理学療法士が開発した、
持続的に皮膚を伸ばす方法。
神経系の理論であり、
エビデンスベースよりも
サイエンスベースを重視。
(持続的に皮膚を伸ばす)

デルモニューロモジュレーティング日本語版

※個人的に最も信頼できる理論。
技術的には操体法の皮膚へのアプローチ、
ストレインカウンターストレイン、
筋弛緩法、筋膜リリースが近い。

アロママッサージ関係

アロマオイルや薬草を溶かしたオイルを使い、
全身、手、足裏などをマッサージする。

主に血流改善、リンパの流れをよくする、
リラックス効果、
美容効果などをうたっている。

リフレクソロジーは
独特の足裏の反射区という
概念を使用しているが
経絡との関わりはない。

※アロマオイルのエビデンスは
これから進んでいくと考えられる。
リフレクソロジーの反射区は信憑性が薄い。

その他

その他にも、皮膚をタッピングする方法、
足指を揺らした
後に皮膚を伸ばす方法、
刺さない鍼など様々な方法があります。

参考文献:系統別治療手技の展開、
軟部組織の診かたと治療、
整膚学、末梢神経マニュピレーション、
楽しくわかる操体法、Dermo Neuro Modulating。

neuro relaxの考え方

このように見ていくと、大きく分けて

1.理論

2.技術

に分けて考えることができます。

1.理論であれば、科学ベース、中医学ベース、
皮膚の血流をうながすこと、
リンパの循環、筋膜理論、
内臓との相関性、脳脊髄液、
神経系などがあります。

2.技術であれば、皮膚を伸ばす(持続的or一時的)、
つまむ(持続的or一時的)、静止して触れる、押す、
揉む、ゆらす、タッピングなどがあります。

皮膚へのアプローチという意識がなくても、
筋肉を揉む、
骨の歪みを直すというときにも、
必ず皮膚への働きかけがあります。
なぜなら皮膚にしか直接触れることは出来ない
からです。

現代の科学である程度信頼できて、
科学的に考えて1番妥当な理論は、
デルモニューロモジュレーションの
神経の血流の流れを良くするという
神経系の理論だと考えています。

そして、感覚神経の末端である感覚受容器や、
脳内伝達物質の分泌(鎮痛系)、
シナプスネットワークの神経サイン、
ニューロマトリクス、身体所有感、運動主体感、
最新の疼痛理論などが参考になります。

技術については、
それぞれの好みがありますが、
私は皮膚を軽く伸ばす、
もしくは触れるだけが、
侵害受容の可能性が低く、
ご本人の自立性も高く、
内部感覚の聞き分けも重視させ、
主体感が失われないので、
メインにしております。

皮膚のアプローチの奥深さや今後の可能性が、
少しでも伝われば幸いです。